野の窯だより   8月




 肌寒い霧の出た翌朝、玄関脇の野紺菊にセミの幼虫が掴まっていた。夜中の脱皮に失敗した

セミかと哀れに思っていたら、7:00頃に背中が割れ始めた。台所仕事の合間に時々見に行くと、

少しずつ脱皮は進み、2時間程の後、全身が現れた。生まれたてのセミは、はかな気に透き通り、

天蚕のように美しい薄緑色だった。

 “良かった”、やっとホッとして、それでも時々茶色に変化してゆく様子を見に行った。そして、い

つ飛び立つかと見守ったが、あいにくと気温の低い日が続き、セミはいつまでも飛べないでいた。

気にかけて見ると、家周辺のあちこちに飛べないでいるエゾゼミがじっと留まっていた。

 長い年月を経、そして種々の危険をくぐり抜けてやっと羽化したのに飛び立てないセミはとても

哀しかった。このまま朽ちるのかなあとあきらめかけた三日程のち、少し気温が上がり、晴れ間

が出た。林のあちこちで、まばらに、じ〜〜〜 と押し殺したようなエゾゼミの鳴き声。ロクロの合

間、時々顔を上げて、セミの声を確かめて安心した。

 梅雨明け。この頃ではカナカナもエゾゼミもうるさい程に鳴いて夏を謳歌しています。



 梅雨明け。梅仕事も無事終わります。

今年も会えました。



   益子時代、たった一株道端で
  採ったのがこんなことに。

近所の人にも  株分け


長いおつきあいなのに名前がわかりません

切り花でも おすそわけ
…エライハナです。




やっと自在かぎがつきました



ネコ負傷、手術。ネットネコとなる。
しょんぼり。




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