野の窯だより 4月


ホオジロも「春よ来い」 まだまだ固いサンシュの蕾


 その日も習いの終わる時間になると、主は囲炉裏の火を落とす。笑ってしまう程太い丸太のまま、まだ燃えている4、5本をじゅっと水につけ、自在鉤に掛かる大きな湯釜に水を満たす。それでも去り難い日があった。そんな日は一日燃え続けてできた燠火をかき散らすと、ぱあっと又暖かくなり、燠火がきらきらきらきらきらめくのを言葉少なに皆で見つめていた。「火ごりだなあ」と立歩さんが云々、「ああ、そう云ったなあ」と主も続け、「そう云ったわね」とみさこさんも笑って続けた。「火ごりですか!」と初めて聞くどこか懐かしい素朴な言葉に私は感動し、「火ごり、火ごり、火凝り?…」と何度もつぶやいた。「あったかいなあ」と立歩さんが云い、主も「あったかいなあ」と云った。「あったかいですね」と私も云った。いくらかき散らしてももう暖かくならなくなると、ようやく仕方なく本当のお開きだった。外に出ると、木枯らしの中、青く凍った大きな月が夜道を照らし、月明かりを頼りに帰途についた。
 春弥生というのに、主のつうやんは突然逝ってしまった。そしてふと気付いたのだ。ここ数年の短い間に、あの時火ごりを見ていた人達はみんな今はもう亡いのだと。
 私はぽつんと一人つうやんの囲炉裏の火ごりを想い出す。献体した師には手を合わせることはしない。ただ、想い出す。あんなに暖かかったのに。あんなにきらきらきらきらきらめいていたのに。



素焼きのための最後の天日干し 早く乾け早く乾け

やっと窯づめ



素焼き二日目 横くべが始まった頃の大口の様子

 素焼きを窯出しすると灰だらけなので この頃はコンプレッサーを使って灰を家の中にいれないようにしています 丁度この時おいで下さったお客様、うるさい音で大変ごめんなさい




オオイヌノフグリ こんなに可愛いのに物凄い名前をもらっちゃって・・

 ニホンミツバチの羽音が春を告げてくれます 因みにウグイスの初音は3月30日 まだまだ上手には鳴けていません ホー ケキョ です



美味しそうでしょー

毎朝水をとりかえます 何故なら全面凍結しているからです







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