野の窯だより 9月 |
白萩がこぼれ、すすきの穂が仲秋を告げる今頃になって、ですが。 お盆にはかど口で迎え火を焚き、しょうらいさまを迎える。しょうらいさまは鬼灯の灯りを頼りにきゅうりの馬に乗って、一年ぶりの我家へと急ぎ駆け足で帰ってくる。短くも楽しい滞在の後は、名残りを惜しみながら、ゆっくりゆっくり茄子の牛に乗ってあちらの世界へと戻ってゆく。 −私の生家のある土佐清水では、紀伊半島と同じく、海の果てに浄土があると信じられ、舟に乗って沖を目指せば即身仏になれるのだという信仰があって、足摺岬はその出発地だったらしい。そのせいなのかどうなのか、しょうらいさまは川からやって来る、ということで、川へお迎えに行った。 お盆にコップをのせて川へ行き、水を汲んできて仏壇に置き、その水がしょうらいさまだと教えられた。初盆の家は、新米のしょうらいさまが迷子にならないように、土手に松明を焚いた。送りの日は、そのコップを持って、やはり川へ行き、また来年ね、と言いながら水を川へ返した。 耐えがたく辛い永遠の訣れは、そんなやさしい物語が、生き残る人の心を癒し、生きる力を与えてくれたに違いないと思っている。 8月はやさしい月。 つのだたかしのリュートで古楽を聞きながら、そして9月。 |
マグカップの手 |
四方鉢 |
シュウカイドウ |
ミズヒキ |
タマゴタケ |
タマアジサイ |
やまぼうし |
つりばな |
ほおずき |
ブドウもなんとか少しだけ |
勝手に生えてきました |
数年前に植えました |
ビシソワーズとクラッカーと酸っぱーい梅ジャム |