野の窯だより2018年４月

野の窯だより　４月

わずかですがゆっくりゆっくり数を増すような…

　ロクロの仕事をはじめた。
　３０年近く馴染んだ土に触れる手の感触にふと心動かされ、思った。
　これが４ヶ月間の私の形なのだな…
　人の体は食べたもので出来ている。同じようにきっと、心が食べたものでできた久々の手の形なのだと思った。ロクロを離れた時間、窯焚きや薪割りや、その間に私が見たもの、見て感じたもの、考えたこと、判断したこと、笑ったこと、悲しんだこと、選んだ言葉、その他諸々の心が食べたものが今の形になるのだろう、そんなふうに思ったのだった。