野の窯だより　2022年7月

野の窯だより　７月

風鈴を出しました

　酷暑おみまい申し上げます。
　
　開け放した玄関の方から鳥の声が大きく聞こえた。
　また家の中に入られたかな、と見にゆくと、網戸のむこうで小さな鳥がこちらに向かってしきりに鳴いている。
　ちぃ　ちぃ　ちぃ　…　（こんにちは、こんにちは…　の風情）
　驚いて写真に収めた後、そっと網戸をあけると、ちょっとしりぞいただけで、こちらを見て鳴き続ける。
　ちぃ　ちぃ　ちぃ　…　（迷子になっちった…　の風情）
　かわいいことこの上ない。
　手を出してはいけない、いけない、と言い聞かせつつも、つい誘惑に負け、水を含ませ、小さなクモ（…しか見つからなかった）を大口を開けたときを狙って、えいっと放りこむと、とっとことっとこ繁みに消えてしまった。
　消えたあとも薄暗くなるまで、しばらく繁みの中で大きな声を張り上げて、親を呼んでいた。
　うまく親にみつけてもらえているといいなあ。
　天敵、事故や、お天気や、…。
　巣立ちの季節。幼いものたちが、無事大人になれるのはいったいどれだけいるのだろう。かわいい姿が目に焼きついて離れません。