野の窯だより 4月 |
花ざかり |
群馬県出身の前衛書家・大澤雅休の書を近代美術館に展示中と新聞で見て、もしやと、ある期待をして早速出かけた。 そして、念願の「華下草上」に20数年ぶりに再会することができた。 最初に観たのは、今は亡いコレクターの方のお屋敷の囲炉裏ばただった。炭が温かく熾るその向こうに、まっ白なだけの屏風一双に仕立てられた「華下草上」。 ふいに大きく眼前に迫り、その言葉の示唆する風景と共に、私はふるえるようだった。主は、「いいでしょう〜 」と自慢し、「いいですね〜 」と私は羨ましがった。 もとの姿はわからない。お披露目してくれた時、屏風に仕立てたと語ったように記憶する。 主亡きあと、近代美術館に委託したと聞いて、それからもう20年近くになる。 やっと再会を果たした「華下草上」は額装され、固い木枠の中で窮屈そうだった。幾度も聞かされた大澤雅休への熱い思い、その彼を通して「華下草上」に出会い、その瞬間、心打たれた思いの記憶だけを胸に、外へ出た。 今年に入ってたくさんの人と別れた。 向こう側に逝ってしまった、たくさんのたくさんの思いを私なりに温めて、今月は窯を焚きます。清明です。 |
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春眠満喫中 ホタルはいいなぁ〜 |
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